スタジオの運営
スタジオのすぐ近くにあるQuinceという小さなお店を開いているNicoleと立ち話をした。
お母さんの援助で始めたQuinceはお昼のサンドイッチやコーヒなど簡単に軽食できる物から、スペインのサラミやチーズなどを売っているお店である。僕もワークショップなどを行う時に簡単な軽食やコーヒを持って来てもらっている。お店を開いてから1年ちょっと経ったであろうか、今では近所に住んでいる人が立ち話をしていく店になっている。
Nicoleはこのお店をほぼ一人で週6日開いている。朝のパンなどの受け取りから始まり、一日中お客さんを相手にしている。そして夜は夜で帳簿をつけたり新しいビジネスのアイデアを練っている。これを一年間以上毎日の様に続けて来た。
金曜日の夜に近くのバーにキューバの音楽を演奏するバンドを見に行こうと誘った。彼女はお父さんがスペインの人で彼女もスペインに住んでいたこともあり興味があると言っていたが、今日は疲れていて余裕が無いとのことである。そして今近くに小さなカフェを開く計画をしているということを話くれた。なんでも一人でやっていることに関心する。
話を聞いている途中思ったのだが彼女のビジネスと僕のビジネスの違いを考えさせられた。両方ともビジネスとして経営しているのだが、最終的な形としてどうしても違う。彼女のビジネスはやはりビジネスであり、僕の場合は少し違う。
最近Project BashoのAboutページを作った。Project Bashoの趣旨と手伝ってくれている人の名前を連ねた。数えてみるとボランティア人数が今ではなんと18人もいる。最近いきなりここまで増えたのだが、今では毎日朝から夜までアシスタントとして誰かがスタジオで手伝っている。
ボランティアの人が手伝ってくれる作業は幅広い。まずは毎晩暗室の面倒を見るモニターがいる。薬品を混ぜたり暗室の整理整頓をしたり、そして生徒や暗室を使う人の相手をしてくれる。Jessicaなどをはじめ一年以上続けている子が数人いて、一年続けてくれると気に入りそうな写真集をプレゼントしている。このようにモニターが毎日いるからこそクラスがない時にスタジオからはなれることができる。
最近の加わったボランティアはオフィスの作業を手伝ってもらっている。主にリサーチを中心にどうしても時間がかかることを一人一人プロジェクトとして与えている。作業としてはマーケティングの下調べをする人や、アメリカ中の写真学部のある学校のリストを作る人などがいる。少しテクニカルなことになると、重要なキーワードが検索に引っかかるようにリサーチをしている人や、印刷物やサイトの下デザインを行う人など本当に幅広い。今回の金沢へのツアーについて細かい情報集種を行っている日本人の子までいる。
中でもOlgaなどはEvent Coordinatorというタイトルでスタジオで行われるイベントの下準備を手伝っている。今は9月に行われる栗田さんのショーで行う特別イベントの準備と、10月に近くのNexusというCo-opギャラリーで行われるショーと関連して行うスタジオでのパネルディスカッションのイベントをメインに準備している。最近加わったAnneと一緒にスポンサー探しからマーケティングまで全般に扱う。
Nicoleと話していた時に思ったことはどうして僕のビジネスには18人も手伝ってくれる人がいて彼女のお店にはボランティアがいないのだろうかということである。この違いというのがお互いのビジネスとしての根本的な違いの現れではないか思う。