ギャラリーでのイベント
この春からいろいろなイベントを企画し行ってきている。
何せギャラリーのスペースが完全に出来上がっているので人を呼びこむことをしなければならない。もちろんいろいろなショーを企画しているのだがそれだけではさすがに沢山の人を呼ぶことはできない。
4月にいくつかのレクチャーを企画した。前回のショーに関連してコロタイプについて講義をしてくれるJames Hajicekと、ワークショップの方はキャンセルになってしまったがDiana Bloomfieldもレクチャーをしに来てくれた。今回はギャラリーでの初めてのレクチャーであって足での方はまあまあだった。
そして写真関連の映画を見せるMovie Nightというイベントも始めた。これは集めたリストから写真関連の映画を上映して写真の社会での役割や使われ方というものを考えてもらおうという趣向である。見せようと思っているものはそんなに新しいタイトルではなく、あまり聞いたことのないまたは最近見ていないような映画を探そうとした。今回のタイトルはBlowupという60年代のサスペンス映画であった。
そして今回の中でも目玉なのはNEPというイベントだ。これは新人の写真家の作品を発表する場を作ろうというのが基でレクチャーを参加型の形でやってみてはどうかというものである。やはり写真家になろうと駆け出しの人は作品を発表する場所が提供されていない。もちろんギャラリーなどでもある程度の作品ができないと扱うこともしない。そういう新人写真家を呼んで作品のプレゼンをしてもらい観客から直接作品に対しての意見や感想を交換できる場を設けようというものである。
昨日初めてのNEPを行う。今回はEd DougertとBrian Shumwayの新人作家を招待する。Edはかれこれ一年ぐらいProject Bashoに出入りをしている人でワークショップも一度とってくれている。Brianは今年の頭に行われたONWARDに参加して佳作をもらった写真家である。彼は今回のイベントの為にわざわざNYから参加してくれた。
Edはペンシルバニア州の東北に集中している石炭産業の足跡を撮影して来ている。今では廃坑になったところがほとんどなのだがその社会的環境的影響みたいなことをこのプロジェクトでカバーしようとしている。イメージとしてはその跡地から実際に炭坑のでの仕事で移民してきた人によって作られた教会などまでも幅広く撮って来てている。話を聞いているといかにこの被写体について造形が深く、そして自分で作品を作るということによってその歴史や社会背景などを知ろうという姿勢がわかる。彼はかなり長い期間このプロジェクトに携わってきている。
Brianは自分の育ったUthaにある小さな町に住んでいる子供たちの写真を撮って来ている。モルモン教の集まりで始まった町なのだが自分のお姉さんの家族がまだ住んでいるらしい。毎年彼らを訪ねては写真を取り集めているようだ。
今回のイベントは見に来ている人がいろいろな形で批評や意見を述べることを目的としている。僕たちは質問用紙を作ったりプレゼンテーション後の質問のやり取りを活発にするためいろいろ準備をして来た。初めてにしては両方ともの作品について活発な意見交換がされていたので内心ほっとする。
このようなイベントを行う時にいつも心配なのはどれくらい人が集まるかということである。毎回インターネットやメールを通して告知はするしいろいろな形でできるだけの宣伝はする。かなり面白いことをやっているとは思っていてもさすがに現代の人は忙しいのであろうか。今回は意外と人が集まり15人ぐらいギャラリーに来てくれた。時間はかかるかもしれないがこれから面白い新人を探していってもっと人が集まるイベントにしていきたい。