10/29/2007


午後ウェッブサイトの更新を行っているとRyanから電話がかかってくる。

昨日スタジオに4x5を借りに来たばかりで何かと思うと今アシスタントをしているRyan Donnellという写真家がスタジオを借りたいというのである。どうやら今撮影をしているらしく後でスタジオ撮影をしたいしたいらしい。

急に言われてもと思ったがさすがにNoと言える訳でもないのでもちろんと答える。どんな機材を使うのかということも聞いてみる。

スタジオの方は正直言って先週の大工事から何も手をつけていない状態にあり撮影用のスタジオとして100%機能する訳でもない。一番の問題点は配線が全て終わっていないのである。この配線が終わっていない理由として予算的なことの他にこの建物の特徴がある。

この建物は幅が7m位しかないのだがとても長細く奥行きが50mほどある。そしてその1/4位しか地下室がなくしかも地下室はビルの正面に位置している。僕たちはビルの正面の方から工事を行ってきたので地下室の上は全て工事が済み暗室などが出来上がっている。なのでこれからの配線や水道のなのどの設備を整えるのは出来上がった物の上に作らなければならないので結構一苦労なのである。このような状態でなければ自分で配線も全て行うのだがさすがそうもいかない。

そんな細かいことをRyanに話してもしょうがないのでどれくらいの機材を持って来てどれくらいのAmp数が必要なのかを聞く。ただ普通の人は機材のAmp数などは知らないのでどれくらいストロボのパックを持ってくるのか聞けば大体のことは分かる。どうやらRyanはパックを一つしか使わないようだ。問題ない範囲である。

早速ギャラリの方に行って一面の壁に飾ってある写真を取り外す。この為にも一つカートを作って撮影中に額を保管できる所を作るべきだなどと考える。下にクルマを付ければテーブルとして撮影用にも使うことができる。二人のRyanが現れた時にはコンクリートの床にモップかけして大体の準備は終了していた。

二人は一日中町を回ってPhiladelphia Orchestra在籍のチューバ演奏者のCarol Jantschの写真を撮っているらしい。彼女はまだ23歳位ですごいことに大学4年生の時にオーケストラに抜擢され人だとRyanから聞いた。

僕はさすがに関係者ではないので撮影には立ち会わずオフィスで音楽を聴きながらウェッブの更新をして様子を見る。途中でRyanの呼ぶ声が聞こえるのでギャラリーの方へ行ってみると彼ら工事中に使っていた大きな扇風機を使いたいらしくパックとは違うコンセントを探しているようだった。延長ケーブルを持ってきてこの大きな扇風機を回し彼女の髪を流す。工事が終わった時にこの扇風機をどうしようかと思っていたがこのような活用方法があることを学ぶ。

撮影のほうは問題もなく大体1間半位ですんだ。ギャラリーをスタジオとして使ってくれた最初のお客さんであった。


10/25/2007

僕たちが企画したコンペの閉め切りは来週である。

今回のコンペをOnwardという名前を付けた。新人の写真家の作品を紹介するのが目的でありこれから活躍して行く写真家みたいなイメージがあるので前向きなタイトルを付けたかった。そこでOnwardという言葉を選んだ。何も名前などをつけずにJuried Photography Competitionなどと決まりきった物でもよかったのだろうがもうちょっとはりを付けたくてあえて名前を付けた。

9月の第二週に公式に告知をしてからいろいろな所で宣伝をして来た。ShotsB&W Magazineなどと結構写真活動をまじめに行っている人に受けいられている雑誌を選んでみた。後はDMを作り1000枚ぐらい個人に送り、東海岸にある写真学科の先生あてにDMを束にして送った。後はウェッブを使いAPUGLargeFormatのサイトなどでの知らせを行う。

後かなり草分け的な存在だがCraigslistというサイトを使ってアメリカ中の都市にONWARDの宣伝をして来た。お金がかかる宣伝ではないのでオフィスの手伝いをしているEsteが毎週いろんな都市のアーティストの欄に告知をして来た。

このように地道に宣伝をしたかいがあったのか今まで2500を超える応募用紙のダウンロードがあった。実際にこの中からどれくらいの人が応募するかは未知であるのだがある程度の目安になる数字ではあると思う。

重要な審査員の方は結局Andreaが引き受けてくれることになった。いろいろ話し合った結果今回のコンペを成功させる為に彼女が引き受けてくれることになった。僕も一番最初から彼女に今年の審査員になって欲しかったので引き受けてくれた時にはとても嬉しかった。彼女は地道に写真を長い間やって来た人なのではやりなどとは関係なくいい写真を選んでもらえると思う。

来週どんな写真が見ることができるのかが楽しみである。


体の痛みと疲れがたまっているとは言いながら今日は朝からAndreaが教えているDrexel大学に行って来た。

前々からAndreaが彼女の学校のビルから撮影をしたらどうかいわれていたので今日こそはと思って彼女の教えている日に学校を訪ねることにした。朝Andreaに電話をするともしよければ彼女のクラスに寄ってカメラと作品を見せてくれないかと頼まれる。

スタジオをでる前に自分の作品を簡単に集める。今撮り続けているフィラデルフィアの風景から墓地で撮り続けている作品など。後は週末に撮ったTintypeのポートレートを何枚か持って行く。

Drexel大学は電車で20分ぐらい言った所にあり隣にペン大学もあるので総合してUniversity Cityと呼ばれている。そしてこの近辺は町の中心の西側にありWest Philadelphiaと呼ばれていてビクトリア調の大きな家が沢山ある所としても知られている。

まずはAndreaのクラスに顔を出し生徒達に挨拶をする。荷物を置き彼女が撮影できそうな所を紹介してくれる。トイレの隣にある窓からは30th Street駅への線路を近景として町を一望することができる。さすがに窓が開かないので屋上で撮ることにする。

クラスではProject Bashoでの活動そしてどのようなことが写真活動をする為に必要なのかなどを僕の経験も含めて説明する。さすがに僕の生徒は社会人が対象なのでこのように大学生の前で話すのは少し感じが違う。そして僕の写真と7x17のカメラを見せる。まだ大判のカメラを使ったことがないらしくネガのサイズには驚いていた。他にも講師をしているAmandaや4年生の生徒達も教室に入って来た。

クラスの途中でAndreaがFranceが今来ていると言った。僕は「Franceって誰?」と思った瞬間Kodakの町RochesterでWet Plate Collodionを教えているFrance Scully Ostermanと気が付いた。まさかこんな所で会えると思っていなかったのでさすがに驚く。後で廊下で挨拶をした時にはFranceは「BashoのTsuyoshiね?」なんてちゃんと名前を知っていてくれた。明日は生徒達とWet Plate Collodionのデモを行うらしい。参加をしたかったがさすがに満員だったらしく丁寧にAndreaに断られていしまった。

撮影の方は写真学科があるビルの屋上から何枚か撮りそして生徒の案内を受け隣りの建築学科のビルの屋上にも上る。そこから同じ様な構図でもう2-3枚撮影をする。フィラデルフィアの秋の暖かい日を浴びながら写真が撮れた日だった。

10/23/2007

何せこの4ヶ月間は忙しかった。

7月からコンペの準備をし始めてそれが一段落付き次第スタジオの工事を終わらせなければならなかった。この3週間は工事の方が忙しく毎日12時間以上現場で作業をしていた。そのかいもあって先週の土曜日の朝4時にペンキを塗ることができた。

この週末にはPhiladelphia Open Studio Toursというイベントがありその為にスタジオをある程度の物にしなければならなかったのである。POSTはフィラデルフィアのアーティストが自分たちのスタジオ一般の人に見てもらって自分たちの作品や活動を見てもらうというのが目的である。

この夏から暗室を使い始めたRichardとKaraはこのイベントの準備の為にプリントをして来たみたいな物だ。この二人の作品を見せる為にも工事の方を終わらせなければならなかったのだ。もちろん一般の人達にスタジオに来てもらうのはProject Bashoの活動を知ってもらうチャンスでもある。

僕の方は工事が忙しく自分の作品を用意することなどは全くできず生徒達と暗室のモニター達の作品を壁に飾った。生徒達の作品は去年行おうと計画をたてていたショーからの物である。新しくペンキを塗り立ての壁に写真を飾って行くのはとても気持ちのよい物だ。

このイベントでもう一つ僕がやろうとしていたのはTintype Portraitである。5月にKerikが来た時に行ったTintype Workshopで大体のことは分かっていたのでそれを使ってスタジオに来た人のポートレイトのデモを行った。

何せ今週は薬品が用意する時間がなく 一日目には間に合わなかったが2日目は昼からイベントが終わる6時までTintypeを作り続けた。僕の友達なども来てくれたが始めてスタジオに来た人などにもどのようにTintypeができるのか興味があったらしくとても好評だった。

大工作業が毎日続き体が疲れているので後2−3日はゆっくりしたいのだが工事の期間中に手が回らなかったことが山ほどあるのでゆっくりもできなさそうだ。


Photo Credit: Al For