11/24/2008

久しぶりに大工仕事

日本に帰る日が迫ってきて忙しい忙しいなどと思っているにもかかわらずクローゼットを作るプロジェクトを始める。前々から頭の中でどのようなデザインをするか考えを巡らせてきたがなかなか実行に移せなかった。しかし今週は大工友達のMargeを呼び二人で作業を始める。

常にカウンタートップを作りたいと思っていたので壁から壁までのスペースを作る。そしてその下には洋服を入れる事のできる棚。上にはハンガーのまま洋服をかけられるようにする。前々から作りたいと思っていた横に長いパネルも作ることにする。

このようなプロジェクトを行う時は元々のデザインを基準にするが材料の選択を最優先で考える。今手に入るものの値段をみて最終的な事を決める。2週間前にNJにある材木屋に行ってどんなものが手に入るかを下見に行った。この材木屋さんとは長い付き合いでこのビルの工事をした時から利用している。

元々1x4のLuanを買いたかったが値段がかなり上がってしまった。そこでオーナーのPaulにプロジェクトの話してみるとMohagonyのCove moldingが山ほどあると言ってきた。20年位動いていないものらしい。値段もLuanの半分以下という事でcove moldingを使う事にする。後はBirch Plywoodを8枚ほど使うサイズに縦長に切ってもらい搬入してもらう手配をする。

後はハンガーをかける所は前々からガスパイプを使おうと思っていたので友達のSteveの所に行って鉄パイプの切り方を学ぶ。なれない機械をいじりながらなんとかパイプを寸法どおり切る。大きな音でとても馬力のある機械は少し怖い。

残りはMargeと二人で五日間いろいろアイデアを出しながら作業を進めて行く。このように作業をする時はMargeと夕食の時までこうした方が簡単で効率がいいという話を延々とする。このようにお互いに持っている技術や感性を信頼できる人とアイデアをバンウスオフできるこんな時間が一番楽しいのかもしれない。

火曜日から始まった作業は日曜日の朝には100%完成ではないが、一応使える状態になっていた。下のスタジオにはまだまだこのようなプロジェクトが沢山残っている。









九州- 長崎、島原、五島

九州では一転してカラーで6x12のフォーマットを使い撮影する。前にも書いたがこのフォーマットはJohn Pfahlのレクチャーを見てから使い始めたものだ。4x5のカメラにバックをを付けて撮るものである。

長細いフォーマットに慣れた今では4x5や8x10を横長に撮るのが不自然になってきている。この頃6x12出さえ横幅が狭いと感じ始めた。

五島はかなりきれいな所で沢山写真を撮った。能登で2週間過ごしていたので見るものがすべて新しいという感じではなかったが一番撮影をした所である。前々から島での生活に憧れている。なぜか陸続きでないという感覚を実感できるのがいい。来年の5月の旅行の人が集まれば又五島に訪れることになる。その時は7x17を持って行く。

そんな事も含めて場所を限定しない方法でビジネスを行いたいと思ってきている。そんな視点から便利堂のことやProject Bashoの運営を考えるようになった。今回の旅行を機に新しい事がどんどん始まって行く。

後は輪島と珠洲での写真のベタ焼きが残っている。










11/11/2008

蛸島

やっとの事で日本で撮った写真を現像する。今夜は旅行に参加した人たちがギャラリーで写真を投影するイベントを行う。なかなかイベント続きで忙しく自分の写真に費やす時間などはなかった。

今回12年ぶりにまとまった時間を日本で過ごした。去年12月に帰った時は時間が短くあまりにも忙しく振り返る事などができなかった。しかし今回金沢や能登そして九州を旅行しreflectionの時間がとてもあり、その時間をとて楽しむことができたと思う。

今朝のNY Timesの記事にLeave of Absenceを仕事からとる話があった。アメリカの教員の仕事ではよくある話で1年間の研究の為の有給休暇である。もちろん普通の会社で働いている人はこんなことはできないのだろう。この夏までは正直言って仕事にどっぷり浸かりすぎていて長い時間働いているのだがプロダクティブではなかった。僕にとって今回の旅行はLeave of Absenceみたいなものだった。

以下は蛸島のお祭りで撮ったポートレート。お祭りに参加しているしている人に声をかけ撮影させてもらった。撮影している時は老若男女と考えていたのだが結果的に見ると若い人が多い。若い女の子などはどうしてもピースサインなどを出してしまうのだがそこは「ちょっと自然にカメラの方をじっと見て」と。「素直」とでも言うのだろうか、みんないい表情をしている。

そしてこのように訪ねた地で人に会う度に思った事の一つに、僕がアメリカに渡らずにあのまま日本にいたらどのような人になっていたかということがある。どのような日本のサブカルチャーに属して、どのような容姿、そしてどんな友達と時間を過ごしていたのだろうかと。どこに住んでどんな仕事をしていたのだろう。このような表面的な事から自分の夢やアイデアまでを含む中身まで。

そんな事を考えながら同時にこのアメリカでの12年間はどういう意味を持っているのだろうと思いを巡らせた。そういう意味で今回のイメージは「作品」などという以上の意味を持つことになる。

もちろんネガを見ながら、「8x10を持ってこれば…」や「もっと撮っていれば…」などと小さな事も思うのだが…。来年は8x10とアシスタントを。