6/25/2007

ところでこの貸しスタジオというのはギャラリーにもなる。この場所を使って写真家達によるレクチャーなども行おうとしている。つまりこの部屋は多目的ホールになる訳だ。

最初は今年の秋から企画を立て写真を見せようと思ったがさすがに時間がなく準備ができなかった。何でもいい訳ではないので今回の秋は見送る。しかし少なくともこの冬にギャラリーでコンペを行おうとしている。そしてこのコンペの入賞者の作品を見せるショーが僕たちのギャラリーでの一番最初のショーになる。

その準備のミーティング為に昨日からFairlieがDCから来ている。彼女はいろいろなコンペを調べて僕たちの方向性を決める為のリサーチを行うことになる。そしてもちろん実際に運営する為に必要な事務的なことも下調べをしてコンペの形作りをする訳だ。当たり前のことだがこういうことをするにはリサーチをする時間が沢山必要だ。さすがに僕一人の手に負えないので彼女に手伝ってもらうことにする。

朝から有名なコンペのサイトに行って応募用紙などをプリントアウトする。それを見比べて僕たちの骨格を作っていく。得に決まりをもうけようとは思わないのだが新人の作品を受け付ける様な方向性にしようとしている。年齢で制限するのはあまり意味がないのでギャラリ−のが付いているかどうかということ基準にする。

後は細かい応募方法などを調べて僕たちの方法に合う物を探す。さすがにプリントでの応募という形にしたいのだが実際のスペース的に問題があるのであきめるしかない。審査はスライドかデジタルでおこなうことにする。もちろん実際に見た物とプリントがかなり違っていた場合などは断るしかない。なんか実際のプリントを見ずに審査をするのは気がかりだ。

今審査員になってくれる人達とも連絡を取っている。コンペ自体はアメリカ中に宣伝しようとしているのでフィラルフィアに限らず写真界で幅広く活躍している人を連れてきたい。後Andreaが知り合いを紹介してくれるとも言っていた。彼女の存在は本当に助かる。

実際に誰になるかは来週あたりには決まっているだろう。

6/22/2007

2週間前にArt for Cash Poorというアーティストが作品を売るイベントに参加してきた。週末にスタジオと関係ある人の写真を売ろうという訳だ。

会場は近所のCrane Art Buildingという所で行われた。このビルは4階全てがアートに携わっている人達がスタジオとしてスペースを借りている。Shelby Lee Adamsが来た時に行ったレクチャーもこのビルに入っている僕の友達の201 Galleryを借りてお世話になった。

基本的にはProject Bashoに関わる人の作品を売るというのが目的なのだがスタジオの宣伝になるので毎年参加しようと心がけているイベントである。暗室のモニターのJessicaがポラロイドトランスファーを行ったりOlgaは大学にいる時に作った作品などを持ってきてくれた。後は暗室を使っている人の作品だったり僕の作品も少し混ぜる。

値段的には$40-$150位である。Christaがカードを一枚$3位で売って見るということだ。もう少し安く値段を設定するべきだという意見もあったがちゃんとした物を作っているのだから多少高くても価値が分かる人に買ってもらってほうがよいというのが僕の考えだ。

一日中椅子に座って行き交う人の様子を見るのは結構楽しい。その人の仕草でどれくらい写真に興味があるのかどんなものに心を動かせれるのかなんているのが伝わってくるようだ。中には何回も戻って来て作品を確かめる人もいる。何ともうれしいことだ。その辺の心をくすぶることのできる写真ってどんなものなのだろうかと考える。

僕の写真などはマットに入っている訳でもなく小さなコンタクトプリントなので写真を束に手にすることができる。物としての写真と見る人の距離そして手に取るという行為が写真の価値を深める様な気がしてならなかった。見る人と写真との間に起こっている「こと」というのはとても興味がある。何を思っているのだろうかということを考えながら僕たちのテーブルに寄ってくる人の観察をした。

結果的に言うと僕たちの作品はほとんど売れなかった。Christaのカードがかなり売れて後まともに売れたのがポラロイドトランスファー一枚である。なんとも値段をつけるのは大変なことである。

僕は自分のコレクションの為Olgaの小さなプリントとGenevieveの自費出版した小さな写真集を買った。

6/21/2007

6/21/07

昨日Olgaと撮影に出かけた。

Olgaはこの冬からボランティアでモニターをしている子である。先日も話したが今回のスタジオを始めるマーケティングの手伝いもしてくれている。毎週水曜日に彼女の仕事の休みができたらしく前から撮影に行こうと言っていた。彼女がPhilly Car Shareという所から車を借りて半日町を巡る。

朝はあいにく雨が降っていたので僕の撮影から始める。暗室を使っているGenevieveという子が町の真ん中にあるRittenhouse Square公園を眺めることのできるオフィスで働いている。先週位に撮影の場所を探していると聞いたら彼女のオフィスのことを知らせてくれた。

さすがに町のど真ん中ということでパーキングが見つからずOlgaは車の中で待つことにする。雨の中車から機材を彼女のオフィスのビルまで運ぶ。彼女のオフィスは三階だ。

GenevieveはCenter for Emerging Visual Artistという所で働いている。この団体は新人のアーティストをサポートするプログラムを無償行っていて選考審査を通ると2年間グループ展や個展をなども含めてアーティストとしてどうやってキャリアを付けて行くかということを学び準備することができる。僕も前々から審査の申し込みをしようと思っているのだがいつも先送りになってしまう。

彼女のオフィスに着くと彼女に挨拶にして早速窓の方に案内してもらう。確かに窓からRittenhouse Squreの様子がよく見ることができる。彼女と話をしていた時に一瞬Cartier-Bressonの写真を思い浮かべた(リンク先の一番したのイメージ)。さすがにこのようなイメージにはならないが人を入れるということを思いついたのである。しかも今日は雨が降っているということもあって傘を持って歩いている人を入れて撮れないかと考えていた。

公園の反対側にあるビル中心にして構図を決め一枚撮る。二枚目は傘を持っている人が入ってくるまで少し待って撮る。手前の道に自転車が止めてあるのに気づき自転車を入れる為に構図を変える。ビルを気にしながら自転車を角に持ってくる。その構図で2枚ほど撮る。今日はホルダーを二つしか持ってこなかったのでこれで終わりにした。

この撮影が終わったくらいにちょうど雨が上がりスタジオの近くまで戻ってくる。Olgaが撮りたいと言っていた家の周りを少し撮ってみる。ぽつんと一軒立っている空き家かどうかわからない小さな家を撮りたいというのだ。この辺は市が土地を買い上げて住宅を作るプログラムをしている所だ。フィラデルフィアは空き家がとても多い。僕もその辺を6x12を使いカラーフィルムで撮影してみた。

6/19/2007

6/19/07

6/19/07
この秋から貸しスタジオ始めようとしている。

二ヶ月位前から第二期の改修工事を始めてていて一時事中断していたが今週になってからまた工事を始めた。大体800sq ft (74平方メーター)ぐらいのスペースで天井の高さが14ft (約5メーター)もある。Philadelphiaにはあまりスタジオがないと聞いているのでこのビルのスペースを有効に使うにはとても効果的な方法なのではないかと思う。何せ昼間はあまり何も活動がないのでどうやってこのスペースの稼働率を上げるかを考えていた所だった。

そのマーケティングの準備をOlgaと行っている。名前やロゴそして簡単なDMなのどのデザインをして既に宣伝しようと考えているのである。なにせPhiladelphiaでコマーシャルをやっている人はそんなに多くもないのでちゃんとしたマーケティングすれば場所を使ってくれる人が現れると思う。

DMのデザインの為に写真家の引用を探し始めた。Olgaのアイデアで僕も最初のデザインとコンセプトが気に入ったのでこの方向でDMをデザインすることに決めた。表には紙いっぱいに引用文をデザインし裏側には簡単なスタジオの紹介そして名前をデザインする。

実際にいつ工事が終わるか分からないのでこの秋にオープンするとういうことしか書いていない。後はウェッブサイトの住所を知らせる。とても簡単だ。何せこんな場所ができるということを知らせて興味を持ってサイトにきてもらうことができればDMの役割を果たすことができる。あまりすべてを見せてしまうと面白くないので少し興味をそそる様な程度の情報を載せる。

さて後は実際の工事とその資金調達という山を乗り越えなければならない。8月の終わりには全てが出来上がってくれればと思う。

6/17/07


昨日やっとカラーのコンタクトを作る。4x5や8x10で撮った物がたまっていた。この頃プロセッサーを使っていなかったのでプロセッサーの掃除もしなければならなかった。友達のケイコさんの作品を撮ったものそしてアジア系アンティークショップの内装を撮った物。いろいろとカラーを変えながら数枚作ってみる。
その中で最近撮り始めた6x12のコンタクトがある。John Phfalの写真を見てからちょっと撮ってみようと思ったフォーマットだ。運良くAPUGで中国製の6x12バックを売っている人に譲ってもらった。

今回特にカラーを使ってこのフォーマットで撮影してみようと思っている。6x12は4x5の引き伸ばし機からでも問題なくプリントできロールフィルムを使うということで結構さくさくと撮れるのではないかと思った。

前々からスタジオの近所の様子を撮りたいと思っていた。何回か7x17で撮っては見たがどうも感じが違うのでかなり前から滞っていた。今回カラーで撮るということでいい感じで行けるのではないかと思う。

6/15/07

今日バスで昔よく食べに行った韓国料理屋さんのオーナーに出くわす。彼のお店にはよくクラスの広告を貼らせてもらっていた。

彼は僕のスタジオの近くに住んでいるということもありこのようにバスなどで顔を合わせる。会うたびにいつも彼は僕のスタジオが引越しをしたかそして日曜日にとれるクラスがあるか聞いてくる。彼も自分のビジネスでさすがに夜のクラスはとれないのである。

もう一つ彼が僕のクラスをとれない理由にデジタルということがある。彼はデジタルカメラを買った時から僕のクラスをとりたいといい始めたのである。てなわけでいつも「デジタルのクラスを始めたら絶対にクラス取るから」というのである。

僕の今日もこんな会話になるのかと思いながらいつもの挨拶をしていると彼は

「つい最近でっかいデジタル一眼レフを買ったんだよ」と会話を続けてきた。

「なんかすごそうなカメラだね」と生返事を返す。

いつもならそこでこのカメラがどうだこうだということになるのだが今日は違っていた。

「それがね買ったのは良いんだけれども今は昔のカメラを使って写真を撮っているんだよ。何せ写真を撮ってから現像が出来上がるまでの待ち時間がとても楽しくてね。どうもデジタルだとすぐ見れて待つ楽しみがないというか…」

そんな会話がでてくるとは思わなかったので僕はさすがに驚いた。

6/06/2007

6/6/07

昨日は突然Andreaのアパートからの風景を撮らせてもらことになる。

始めて彼女のアパートに寄った時から窓からの風景を撮りたいと思っていた。写真を撮らせてくれるかどうかと聞いて見たら彼女はいつでもいいよと言ってくれた。とは言った物のお互いのスケジュールが合わせるのは結構難しい。彼女の教えている学校が来週から夏休みになるというので何とか彼女がいなくなる前に撮影をしなければと思いメールをしてみる。彼女からメールが早速帰ってきて「今日はどう?」と。僕もすかさず「今日でもいいよ」と返事をした。

てなわけで彼女のアパートに夕方にお邪魔する。彼女は結構町の真ん中にあるアパートの5階に住んでいる。昔は倉庫だったビルが町の再開発のブームにのりアパートになった建物である。一階一階の天井がとても高い。

彼女の部屋に着くとAndreaが忙しそうに出かける用意をしている。彼女はこれから図書館でのレクチャーに行く予定である。少し話を交わした後、僕に飲み物から鍵のことまで必要な物を確認して部屋を出て行く。すぐ帰ってくる様なことも言っていた。

彼女のアパートは東北に面して東側にはフィラデルフィアの高層ビルを見ることができる。今ちょうどアパートの隣にあるビルが拡張工事をしていて大きなクレーン車が止められている。これを中心にして撮ろうと思う。問題は窓が半分くらいまでしか開かないようになっていてどうしてもカメラをのぞかせることができない。仕方がないので窓越しに撮ることにする。窓に映り込む反射に気を付けて彼女のベッドルームから4枚ほど露出を変えて撮ってみる。

彼女のアパートは決して大きくはない。そしてアパートではあまり時間を過ごさないのか結構殺風景である。去年の秋から住んでいるとは思えないスーペスである。ちょうどベッドルームにはビルに反射された夕陽が窓枠を壁に映し出している。壁にはArnold Newmanの撮ったMarilyn Monroeの写真が飾ってあった。この写真は彼から直接もらった写真だそうだ。彼女のベッドルームの様子を一枚撮る。

残りのフィルムを使う為に部屋をでて非常口の方をのぞいてみる。ここからは西側の風景が見れ比較的新しいCira Centreというビルが見ることができる。このビルは全てガラスで覆われていて非対称にデザインされているビルである。夕陽が他のビルに隠れるのを待ってから3枚ほど撮影する。

彼女の部屋の後片付けをしたら既に9時を過ぎていた。

6/04/2007

6/4/07


今日は朝から3x4の現像をする。2ヶ月ぐらい前に撮影した物だがずーっとホルダーに入ったままになっていた。今週末にArt for Cash Poorというアーティストが作品を売るイベントに参加する予定だ。出展しようと思っている3x4のプラチナプリントを明日にでもプリントする予定なのでもう少し3x4のネガを作っておく。一晩寝かせておかないと行けないFerric Oxalateなども少し混ぜて明日の準備をする。今夜は雨が降る予定なので明日は湿度も高くプリントができるだろう。

この土日はラージフォーマットワークショップを行った。この二日で大判のよさを分かってもらおうというワークショップである。小さいのは4x5から大きい物は7x17や11x14などいろいろなカメラを使ってもらう。この二日間で撮影から現像までを全て行うのは結構時間的にきつい物があるがなんとかラージフォーマットの基本みたいな物が体験でるようになっている。参加者は女性が二人と少ないが僕が教えるワークショップなので行う。

一日目はカメラの特徴などを説明してから11x14のスタジオカメラでのポートレートを行う。簡単に撮影の手順などを見せながら参加者の撮影をする。それからフィルムの装填を実践させてアオリのことに少し触れる。そしてお昼の後にスタジオからでて撮影。別にどこへ行く訳でもなく近所の風景を撮影するのである。さすがにこんなカメラで撮影しているのは珍しく通りがかりの人達は必ず声をかけて行くのである。「僕の写真を撮ってくれ」というジョークから「どれくらい古いカメラなの?」と興味津々な人までいろいろだ。装填したフィルムを大体消費した頃に一日目が終わる。

二日目は残りのフィルムを使い切るために撮影を続ける。一日目は小さなフォーマットを使ったので8x10と7x17を使う。さすがにカメラと三脚が重くなるので女性の参加者にはカメラの移動がちょっと少し大変だ。でも何事もなく装填したフィルムを全て撮影することができた。お昼をはさんで残りの時間で撮影したフィルムを全て現像して簡単にバンダイクでプリントという予定。僕はカラー現像に使っていたドラムに入れて現像するのだが二人ともいろいろなサイズのドラムを5つ位現像した。さすがに現像にはちょっと時間かかりバンダイクは時間がないということでシルバーでベタ焼きを作りワークショップをくくった。

なにはともあれこのようなワークショップでは必要以上に技術的なことで難しくせず体験してもらって楽しさを理解してもらう事が大切であるように思う。

6/03/2007

5/31/07


昨日Teresaに電話をかけた。先週に彼女から電話があったのだが僕はクラスの真っ最中で電話にでることができなかった。

TeresaはNYでいろんな写真家のプリントをしているプリンターだ。Robart Capa, Cornel Capaなどのネガを主にプリントしていて他にもBruce Davidsonなどマグナム系の写真家達の作品をプリントしている。ちょうど5年位前に彼女のプリントのワークショップをNYのICPで取りそのきっかけで彼女のアシスタントに一年半位いろいろ教わった。プリンターとしての仕事がどういう物かということを学んだ。

彼女がいきなりArizonaに引越しをすると伝えてきた。彼女はBrooklynのアパートを拠点として自分の暗室を作り片親で高校生の男の子を育ててきた。それがまたなぜArizonaまで行くのかと聞いてみると今回アパートの契約が更新できないので徐々にArizonaのおばさんの所に引っ越そうと思っていたそうだ。だが先週おばさんが腰の骨を折って看病する人が必要になって急遽引越しすることになったようだ。

彼女は今月僕のスタジオでシルバープリントのワークショップを行う予定であったがそれもキャンセルしなければならない。早速ウェッブで告知をしなければならない。

この一年半一度彼女をフィラデルフィアに呼んでワークショップを行おうとしたがこの夢はかなわないことになりそうだ。